安定化電源を作ってみた

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最近モノづくり界隈や高電圧界隈で格安電源装置を導入している方を見かけます
作った物の動作確認時に電源装置があったら便利ですよね
俺も電源装置欲しいな~と思っていろいろ調べていたら第一電波工業やアルインコが出しているシガーソケット付きのやつを見つけました
見た目がゴツくてかっこいいし機能もよさそうなのでほしかったのですが、結構値段が高い
というわけで自作しました



完成形


ターミナルは左から、3.3V、5V、12V、GND、可変(0~約10V)となっています
右のパイロットランプは待機時は赤、運転時は緑に点灯します
スイッチは2回路2接点のものを使用し、ATX電源の起動とパイロットランプの制御に当てています
可変抵抗にはスイッチ付きのものを使用しており、左のパイロットランプと連動します
シガーソケットはおそらく耐熱設計でないためシガーライターの使用はできません
背面にはUSBを1つ装備



製作


大元のスイッチング電源にはジャンクATX電源を使用しました
玄人志向の550Wセミプラグインです
組み込み用のスイッチング電源を使ってもよいのですが、ATX電源はそのままで3系統の電圧を取り出せるし、大電流でかつ安く入手できます




ATX電源から上図のように線をひっぱってきて配線します
ATX電源もモノによっては負荷をかけないと12V出ないそうですがこれは大丈夫でした
LED1は2色1球のLED
桃色で囲まれたスイッチは同じもの(2回路2接点)




電圧可変出力には秋月電子の"実験室用 定電圧安定化電源キット"を使用しました
今回はスイッチング電源を使用しているので整流用ダイオード、平滑用コンデンサは不使用
こちらこちらの情報によると基板のパターンが一部間違っているそうですが私自身が電子回路に詳しくなく、またそのままでも使えるとのことなので気にしないことにします




分電盤の製作
5Vを可変電圧用LEDとUSBへ
5Vスタンバイを電源スイッチ用LEDへ
12Vをパネルメーターバックライトへ
XHコネクタを買ったので使いたかったのですが、所有している電工ペンチだとうまくいかなかったので今回はあきらめ




ケースの加工
ケースはタカチのPU-1を使用しました
使用時のサイズ感が丁度良かったため採用しましたが、内部に余裕があまりないです




ミスによりツマミが浮いてしまったが



組み立て紙管ラックパイプジョイント
ダイソーのこれが丁度いい大きさだったので切り出してごまかす




後ろの加工が雑ですが見えない部分なので気にしない
cncフライス盤ほしい
あとヒートシンクはもっと大きい方がよかった




基板はATX電源のケースにスペーサーをかまして固定します
秋月基板の出力に端子台を中継




電圧計・電流計のテスト




部品を固定して完成(2024/3/9)




ギャラリー



仕様



構成

ATX電源から3.3V、5V、12V、5Vスタンバイ、Power ON を取り出す
5Vスタンバイは赤&緑LEDにつなぐ
ノーマル5Vは分岐させてUSBと可変電圧用LEDに接続
12Vは分岐させて秋月キットの入力に使用



使用した部品

など



今回はロクに設計せず製作を始めてしまったので難航した
設計は大事だな
本当は電流計のレンジ切り替えや計器の接続切り替えの機能をつけたかったが、あまり機能を詰め込みすぎると複雑になって手に負えなくなるので今回はここまで
あとケース内にゆとりを持たせるためにSFX電源化したい
というわけでいずれ上位互換を作ります